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夏休みは起立性調節障害を治すチャンスです

朝起きられない、頭が痛い、だるい、という症状で学校にきちんと登校できていない小学校高学年~中高生の方がいます。岡山県のホームページにも「知っていますか?起立性調節障害」というページがあるくらいなので患者さんの数はかなり多いもと思われます。。このような症状で大学病院や大病院の小児科を受診すると起立性調節障害という診断名をつけられます。
私は起立性調節障害という病名は病態を適切に現していないと思うので、カルテにはそういう病名はつけません。なんかおおげさ感じがしますし、難しい病気のような印象を受けますが、単なる栄養不足が原因です。思春期の子供に多く発症することは知られています。思春期は背が急激に伸び、それに伴い循環血液量も増えないといけません。骨が伸びるのにも血液が増えるにもタンパク質、鉄などの栄養が欠かせません。もともと子どもは鉄不足の状態の子が殆どで、一気に背が伸び始めると鉄の貯金が枯渇してしまいます。鉄はミトコンドリアに必要なので不足するとエネルギー産生がうまくいかず朝起きられなくなります。鉄不足で頭痛や意欲の低下もよくおきます。
自然と治る子が多いようですが、男子の場合、身長の伸びが止まれば鉄の需要が落ち着くので貯蔵鉄が増えて元気になってきます。女子の場合は、生理が始まると鉄の貯金が増えないのでなかなかよくなりません。
夏休みの間に血液検査で栄養状態をチェックし、栄養欠損があるようでしたら治療用の高濃度ヘム鉄などの補給を行えば、比較的早く元気を取り戻せます。ただ、ふつうの小児科を受診しても基準値内に入っていれば異常なしとマニュアル的に診断されてしまうのと、治療用のサプリメントを持ち合わせていないので、適切な診断治療を受けることは困難です。是非、分子整合栄養医にご相談ください。