無月経・月経不順

ホルモン分泌の司令塔である視床下部-下垂体系の混乱や卵巣機能低下などが無月経や月経不順の主な原因になります。

視床下部―下垂体は、ストレスや栄養欠損の影響を受けやすい部位なので、視床下部-下垂体性無月経は、ストレス、不規則な生活、ダイエット等による栄養欠損、過度の肥満、甲状腺機能異常などが原因なります。根本的な治療にはこれらの是正が必要になります。卵巣性無月経の治療は、卵巣機能を改善させるビタミンEやDHEA (注1) の補給が有効です。婦人科で行われる治療は、人工的なホルモンを投与して月経を起こさせるものですが、原因の是正は全く行われていませんのでホルモン剤を飲むのを止めるとまた月経が停止してしまいます。

注1 DHEA:副腎で作られる性ホルモンの前駆体

補足

  1. 無月経には、原発性無月経(18歳過ぎても初潮がおこいらないもの)と、月経が3か月以上停止している続発性無月経がありますが、無月経の殆どが続発性無月経です。月経は、卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが作用することで起こります。視床下部‐下垂体‐卵巣それぞれからでたホルモンが子宮に作用し、血中のホルモンが周期的に下がる時に子宮内膜が剥がれ落ちる時に起こる性器出血(消退出血)が月経となります。2種類のホルモンの産生と分泌は、脳の視床下部と脳下垂体からのホルモンによって調節されています。この視床下部‐下垂体‐卵巣‐子宮からなるホルモン分泌経路のどこかが障害されると無月経が生じます。よくある原因としては、ストレス、ダイエットを引き金にする視床下部性排卵障害、過度の肥満、多嚢胞性卵巣症候群と呼ばれる卵巣の異常、などがあります。
  2. 2. 続発性無月経に、卵胞ホルモンや黄体ホルモンを投与する場合が多いですが、ホルモン療法では視床下部機能障害自体を是正しておらず対症療法にすぎません。ストレス、栄養欠損などを是正することが根本的な解決策になります。栄養素としては、ヘム鉄・亜鉛・ビタミンB群、ビタミンE・タン白質などが重要です。