更年期障害

閉経前後ではエストロゲンという女性ホルモンの分泌が低下するため、その分泌を促そうと視床下部の働きが強まるが、卵巣機能が低下しているので指令に応じた女性ホルモンを分泌できず、脳が混乱することで自律神経のバランスにも影響を与え、のぼせ・発汗・不眠・うつ・イライラ・めまい・頭痛・動悸などの様々な症状が生じるのが更年期障害です。

我が国ではホルモン補充療法(人工的な女性ホルモンを投与)を行う場合が一般的ですが、アメリカでは乳がん・子宮がん・心筋梗塞などの動脈硬化・肝機能障害などの副作用が多く今では下火になっている治療方法です。ホルモン補充療法のような副作用がないばかりか、乳がん予防効果もある女性ホルモン(エストロゲン)様作用を有すイソフラボン (注1) の摂取が有効です。フェリチン値が低い鉄欠乏状態の女性は、更年期障害の症状がでやすくなるので、鉄欠乏などの栄養欠損の是正も重要です。

注1 イソフラボン:大豆などのマメ科の植物に含まれているポリフェノールの一種