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起立性調節障害を治すには

先日NHKの再放送番組で起立性調節障害(OD)が取り上げられていました。アスリートの為末大さん、山田ルイ53世さん、東こどもの心とからだのクリニックの東佐保子医師らが出演されていました。番組では、起立性調節障害は自律神経失調や精神的ストレスが原因であると解説していました。東こどもの心とからだのクリニックでの患者さんの再診のシーンもありましたが、ただ体調を聴くだけで血液検査などはしていませんでした。これでは治るわけがありません。そもそも、ODの原因が自律神経失調であると考えていること自体が間違いです。ODの主な原因は、エネルギー産生の低下です。エネルギーを産生する器官はミトコンドリアですが、ミトコンドリアには鉄が欠かせません。成長期の児童生徒は、骨が急激に伸びています。骨が伸びるのに鉄が使われます。また体格が大きくなると循環血液量も増えないといけないので造血に鉄が使われます。ですからODは成長が盛んな思春期によく見られる病態なのです。また、何年かすると自然と治ってくる人が多いですが、それは成長が止まって栄養の需要が落ち着いてきて鉄の貯金が回復してくるからです。
精神的ストレスの関与は少なからずあるかと思います。しかし、気分の落ち込みやストレスに負けやすいのも栄養欠損が関係しています。やる気を出すホルモンであるセロトニンは鉄、ビタミンB群、アミノ酸などの栄養素から合成されますし、ストレスに打ち勝つ抗ストレスホルモンもコレステロールやビタミンcなどから合成されます。いずれにせよ、朝起きられない・登校できない背景には栄養欠損があるのです。栄養欠損の概念が医師にないので、根本的な診断や治療ができません。ODを積極的に治療するためには、血液検査で栄養欠損状態を把握する必要があります。しかし、一般的な血液検査の診断は基準範囲に入っているかどうかで判定するので栄養欠損状態を正しく把握することはできません。これができるのは分子整合栄養医のみです。朝起きられない・学校に行きたくても登校できない・意欲が湧かない、といった症状でお困りの児童生徒の親御さんは是非とも分子整合栄養医にご相談ください。