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初潮を契機に悪化する起立性調節障害

朝起きられなくて登校できないという症状で病院受診すると、起立性調節障害という病名をつけられて昇圧剤などを飲まされます。私はこの起立性調節障害という診断名が好きではありません。起立性調節障害=血圧低下が原因と考えているので昇圧剤を処方することになるのだと思いますが、昇圧剤を飲んでも治りません。分子整合栄養医学的には、朝起きられないのはエネルギー不足であることが主な原因と考えています。敢えて病名をこの病態に付けるとすると「起床障害」とか「エネルギー不足症候群」とでも言った方がよいかと思います。
思春期には急激に背が伸びて体格が大きくなるので、骨の成長や造血のために鉄、ビタミンB群、タンパク質などの栄養の需要が大幅に亢進します。そのため、エネルギー産生がうまくいかなくなり朝起きられない、だるい、動くとしんどい、頭痛、めまい、意欲の低下などが起きます。女子の場合、小学5年生くらいから中学2年生くらいに初潮を迎えます。月経が開始されると毎月鉄やタンパク質を失うことになり、ますます栄養不足に拍車がかかります。そのため、初潮が始まったころから朝起きられなくなるケースが多いように思います。
対策、治療としては鉄、タンパク質、ビタミンB群などを補給することに尽きます。特に小食、肉が苦手、偏食のある子は要注意です。