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仕事の能率が落ちる

バリバリと仕事をこなしていた女性が、急に仕事ができなくなることがあります。患者さんは「急に頭が悪くなったように思う」とか「今まで簡単に出来ていたことが難しく感じる」などと表現されます。このように仕事の能率が急に落ちるのはうつ病の症状の一種と言われています。うつ病には、涙もろくなる、自分を責める、決断が下せない、これまで関心があったことに興味がわかない、朝早く目が覚める頭痛といった症状も見られます。気分の落ち込みといった症状以外にもいろいろな症状がでるので、なかなか自分ではうつ病と気づきにくいようです。
仕事の能率が落ちる原因は、分子栄養医学的には鉄欠乏と考えています。鉄は脳内の神経伝達物質の合成や分解に関与していますし、脳神経の維持にも欠かせません。うつ病は精神的なストレスが原因で発症すると考えられていますが、女性のうつ病の殆どは鉄欠乏が関与しています。月経の関係で女性の多くは鉄欠乏もしくは潜在性鉄欠乏状態にあるからです。
鉄はセロトニンの合成に欠かせない栄養素です。鉄が欠乏していたらセロトニンがしっかり合成できていません。セロトニンの絶対量がそもそも少ないので、選択的セロトニン再取込阻害剤(SSRI)を飲んでも効きません。こういった場合は、セロトニン合成に必要な、必須アミノ酸・鉄・ナイアシン・ビタミンB6などを摂取するのが有効です。