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不妊治療の費用対効果を考える

体外受精や顕微授精は、女性の苦痛や精神的負担が大きいだけでなく経済的な面でも大変な治療になります。保険診療は国が、薬価や検査・手術代を決めますので全国一律です。しかし、経験の少ない外科医とベテランの神の手Dr.が同じ内容の手術をしても費用は一緒なので、これもどうかと思います。不妊治療は現在は保険適用外(自由診療)なので全額自費で負担しないといけません。自由診療ですから料金も自由に設定できますので、費用も医療機関によってまちまちです。体外受精、顕微授精になると1回の費用は40~50万円くらいはかかります。しかも着床しなくても費用は発生します。体外受精でなかなか着床しない方が、gdmクリニックによく相談に来られます。産婦人科での不妊治療に費用がかかるので栄養療法も取り入れるとなると経済的に続けられるか心配だと言われる方も少なくありません。
卵管、卵子、子宮、精子などに特に問題ないのに妊娠しない場合、機能性不妊症(原因不明不妊症)と言われます。原因不明と言われますが、分子整合栄養医学的には細胞レベルでの栄養欠損が関与していると考えています。日本人は先進国の中でも痩せの女性が非常に多く、妊娠に必要な栄養素が大幅に不足しています。赤ちゃんはお母さんから10か月間おなかのなかで栄養をもらって大きくならないといけないので、栄養の貯金のないお母さんの子宮には着床しません。運よく着床したとしても、流産する危険性が高いです。また早産も、お母さんからもらえる栄養がないので赤ちゃんが諦めて早くでてこようとするのです。婦人科の治療と栄養療法の両立を悩まれている方には、「血液検査で栄養欠損が著しい状態なのでいくら顕微授精をしても着床しません。3か月~半年間は婦人科での不妊治療をお休みして栄養の貯金を殖やすようにしてください。急がば回れの精神で。」とお話しします。しかも、顕微授精を1回お休みすれば、1年分の栄養療法の費用が捻出できます。
きちんと栄養療法を受けて栄養状態を改善させて不妊治療臨めば、着床率がアップします。それどころか、30歳代の方なら自然妊娠も可能性も十分ありえます。母体の栄養状態がよければ、胎児の成長も健やかになります。また出産後も産後うつになるリスクが減りますし、赤ちゃんの発達(身体だけでなく精神の発達も)も良好になります。栄養療法を取り入れることで、不妊費用の軽減、赤ちゃんの健やかな成長、母体の体調維持、と一石三鳥になります。