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起立性調節障害、進まない理解 腫れ物扱いでSOSも出せず

10月6日の中国新聞デジタル版で「起立性調節障害、進まない理解 腫れ物扱いでSOSも出せず」という見出しの記事が載っていました。ここ10年で病名は知られるようになったが、学校現場の対応はなかなか進まない、と書かれていました。外見上どこが悪いのか分からないので、昔は「怠け病」や「心の病気」と思われていました。起立性調節障害という病名が付けられるようになって身体的な異常と認識されるようになったのはよいことですが、朝起きられない原因がいまだ正しく理解されていません。血圧低下が原因と勘違いしているので、治療は昇圧剤の投与になってしまいます。
朝起きられないのは、エネルギー不足が原因です。思春期には身体の成長のために鉄やタンパク質などの栄養の需要が大幅に亢進します。炭水化物中心の偏った食生活をしている家が最近増えていますので、思春期に一気に栄養欠損に陥ってしまいます。炭水化物中心の食事やジュース・アイス・お菓子の摂り過ぎで血糖の乱高下も起きやすくなっています。血糖値の低下もエネルギー不足になります。
男子の場合、身体の成長が落ち着くと栄養の需要が低下してきて鉄の貯金も増えて自然と元気になることが多いです。薬で治っているわけでなく自然経過で勝ってによくなっているだけです。女子の場合は、成長が止まっても月経が開始されるのでなかなか症状が改善しません。
起立性調節障害は、心配な病気ではなく単なる栄養不足や糖質の過剰摂取が原因です。そのことをもっと多くの方に理解していただきたいです。そうすれば、発症を予防することも可能になります。