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薬ではありません

薬の処方をしていない患者さんから「薬がなくなりました」と電話がよくあります。サプリメントのことを薬だと勘違いしている人が多いです。患者さんにしてみれば、症状や病気が改善するものだから「お薬」というイメージをお持ちなのかもしれません。私はサプリメントと言わずに栄養素と呼んで他のサプリメントと差別化しています。薬と栄養素は全く別物です。薬は体内に存在しない分子なので異物です。そのため必ず解毒排泄しないといけません。本来生体内でおきない化学反応を引き起こすので多かれ少なかれ副作用がつきものです。一方のアミノ酸、鉄、亜鉛、ビタミンなどの栄養素は、生体内に存在する分子=生体内分子なので、そのまま(一部代謝を受けてますが)の形で利用されます。当然解毒する必要はありませんし、変な化学反応を起こさないので副作用もありません。抗がん剤などは量を間違えると死に至ることもありますので、量を守って投与しないと危険です。しかし、栄養素は量の確保が重要です。細胞の分子濃度が本来あるべき濃度に戻って初めて症状や病態が改善してきますので、不足分を補うだけの量をしっかり摂取しないと治療効果がでません。これを容量依存性と言います。
症状や血液検査、体格などから摂取していただく栄養素の量を個々人変えて処方しています。量を勝ってに減らすと治療効果がでません。市販のサプリメントも含有量が少ないのでなかなか症状改善につながりません。処方された量をしっかり摂取することが栄養療法において重要です。