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ミロでは疲労回復しません

ネスレの牛乳に溶かして飲む「ミロ」が品薄状態になっているそうです。その原因は「毎朝ミロを飲み始めて1か月、寝起きが良くなり、24時間常に疲れてだるかった身体が軽くなり、やる気が起きなくて鬱々してた気分がスッキリ爽快になった」というはあるツイッターでのつぶやきが拡散されたからだそうです。私も子どもの頃によく飲んでいました。さっそくミロの成分について調べてみました。ミロ1杯分(15g)あたり、たんぱく質1.2g 、脂質1.6g  、 糖質9.8g 、食物繊維0.9g、食塩相当量0.044g、カルシウム225mg、3.2mg、ビタミンB20.30mg、ビタミンB60.40mg、ビタミンB120.64mg、ナイアシン4.6mg、ビタミンC5mg、ビタミンD1.7μgという内容でした。ちなみに鉄はピロリン酸鉄なので非ヘム鉄です。
ビタミンB群の含有量はかなり少ないのでミロに含まれているビタミンB群で疲労や意欲の低下が改善するとは思えません。鉄が3.2mgというのはさほど多い量ではないですが、もしかなりの鉄欠乏性貧血があった人なら貧血が改善してくれば以前と比較して身体が楽になるということは考えられなくもないです。しかし、栄養療法で処方する場合、ヘム鉄で24mgとか48mg1日に飲んでもらうので、たったの3.2mgで劇的に改善するのは考えにくいです。何か他の要因が関係しているのかもしれませんが、このツイートをした人のミロを飲む前と飲んだ後の血液データをみたいものです。分子栄養医学的に考えると、ミロの成分では疲労回復、意欲向上が起きるとは思えません。糖質の含有量も多いので、たくさん飲むと太る可能性もあり、疲労回復しないからといって量を増やすのは注意した方がよいかと思います。