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脳の至適生化学環境

難しいタイトルですが、細胞には最適な栄養濃度(至適生化学環境)というものがあります。特に脳細胞は適切な栄養濃度の幅が狭く、ちょっとした栄養濃度の乱れで症状がでやすい臓器です。脳の至適生化学環境が生化学的変化によって、つまり栄養素濃度の増減によって精神にさまざまな障害が起きうるということを提唱したのがライナスポーリング博士です。ポーリング博士は、精神疾患の患者さんと健常な人との尿中ビタミン分析を行い、精神疾患の患者さんはビタミンC、ナイアシン、ビタミンBが欠乏していることを見つけました。
脳内の神経伝達物質セロトニン、ドパミン、メラトニンなどは全て食べた栄養でできています。これらの神経伝達物質が不足して起きている症状には、薬の投与ではなく栄養の補給が根本的な治療になります。また、薬による治療は様々な副作用を伴います。まずは、日頃から食事内容に気を付け、もし調子を崩した場合は、いきなり薬の服用ではなくビタミンB、ビタミンC、鉄などの摂取を行ってみるのがよいのではないかと思います。ただ、どういう栄養素をどれだけ摂取したらよいかは一般の方には分からないでしょうから、分子整合栄養医の診察をお受けになるのがよいかと思います。