blog

起立性調節障害は水分を摂っても治りません

ある新聞の医療関係のページに、中学生の娘が起立調節障害と診断され血圧を上げる薬を飲んでいるが、起立性調節障害はどういった病気でどうすればよいか、という質問に対して大学病院の教授が回答する、という記事が掲載されていました。
回答を箇条書きにすると
・思春期に多い。(今一番背が伸びている時期と答える生徒が多いとのこと)
・思春期は背が急に伸び体に変化がある時期なので自律神経が乱れやすい。
・立ち上がる時に血液の巡りがうまく行かず朝起きられない病気。
・ふらつきや頭痛もあり。
・治療は昇圧剤の投与もあるが、血管内に水分が不足している状態なので水分摂取が大切。

思春期で背が伸びている時期に多い病態だということは認識しているようですが、血管内の水分不足・自律神経の乱れが原因だと考えているところが間違いです。原因を正しく理解していないので治療もうまく行きません。gdmクリニックにも起立性調節障害と診断され、昇圧剤の投与や水分補給を行っても改善しないという児童生徒がよく受診します。
成長期には栄養の需要が亢進します。ミトコンドリアでのエネルギー産生にも栄養が欠かせません。成長期にはエネルギー産生に必要な栄養素が不足するので、朝起きられない、血圧を維持できない、といった状態に陥ります。また、頭痛や腹痛も鉄やタンパク質不足で生じます。
治療を急いでもよくなる訳ではない、とも回答されていますが、親御さんとしては一日も早く元気に登校してもらいたいと思うでしょう。一番つらいのは学校に行きたくても行けない児童生徒本人だと思います。
分子整合栄養医学的な血液検査で不足している栄養素をチェックし、治療用のサプリメントを用いることで症状の改善を大幅に短くすることが可能です。ただ、普通の小児科や内科では(大学病院を含め)、血液検査の解析方法が基準範囲内におさまっているかどうかで判定するので栄養不足が正しく診断できません。起立性調節障害と診断されて治療を受けているが改善しない場合は、是非ご相談ください。