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起立性調節障害は水分を多く摂っても治りません

朝起きられないという主訴で小児科を受診すると起立試験(安静臥位とその後の立位の血圧や脈拍の変化を測定)の結果で起立性調節障害という変な病名を付けられます。血圧が低いことが朝起きられない原因と小児科医は考えているので、血圧を上げる薬を処方します。また、循環血液量を増やして血圧を上げようと考えているようで、水分や塩分を多く摂取するように指導することも多いようです。水分は少なくとも1日に1.5~2リットル飲むように指導されます。しかし、喉も渇いていないのに2リットルも飲めるわけがありません。他院でODと診断されて昇圧剤内服や水分摂取を指導されていた女子生徒がgdmクリニックを受診されました。血液検査で低血糖症を疑う所見もあり、食事内容や間食の有無をお聞きしたところ、水を2リットルも飲めないからジュースをたくさん飲んでいるとのことでした。
朝起きられないのは血圧のせいではありませんので昇圧剤を飲んでも水分をたくさん摂っても症状は改善しません。ジュースをたくさん飲んで低血糖になり逆に症状を悪化させることもあります。エネルギー産生不足が朝起きられない主な原因です。エネルギー不足のために血圧の調節もうまくいかずに2次的に低血圧になったり立位と臥位での血圧の変動が大きくなったりしているだけです。起立性調節障害の治療を受けても症状が改善しない方は是非ご相談ください。