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砂糖は脳のエネルギー?

「砂糖は脳のエネルギーです」、というようなフレーズの広告がありますが、これは間違いです。正しくは「脳のエネルギー源は主にブドウ糖である」、と言わなければなりません。砂糖はブドウ糖と果糖が結合した二糖類です。いずれにせよ、脳のエネルギー源がブドウ糖ならブドウ糖を含んでいる砂糖を摂ればいいのではないか、と短絡的に考えのはよくありません。ブドウ糖は急激に腸から吸収されるので、一気に血糖値が上がってしまいます。ブドウ糖が血管内にいっぱいになると膵臓からインスリンが分泌され細胞内にブドウ糖を取り込もうとしますが、血糖の上昇が急だとインスリンが過剰に分泌されてしまい、今度は急激に血糖値が下がってしまいます。結果的に、脳のエネルギー源が枯渇し、理性を司る領域にエネルギーが不足して様々な精神神経症状を引き起こします。他の臓器もブドウ糖をエネルギー源としていますので、身体がだるくなります。
糖質の過剰摂取で起きる機能性低血糖症の人が最近多いです。正確に診断するには5時間糖負荷試験などを行う必要がありますが、手間暇がかかりスタッフもたくさんいないと対応できないのでgdmクリニックでは実施していません。糖尿病でインスリン注射をしている人が時々インスリン量が多すぎて低血糖(冷や汗、痙攣、意識消失など)になることがあります。その場合はブドウ糖を摂ってもらい血糖を回復させる必要があります。しかし、食事が不適切なことが原因で起きる機能性低血糖症にブドウ糖摂取は、症状を悪化させるので厳禁です。血糖が急上昇しインスリンが過剰分泌されまた低血糖になるという悪循環をたどるからです。
低GI食=糖質のあまり入っていない食べ物(肉、魚、豆腐、卵)や糖と食物繊維が絡んでいる糖質(野菜)は消化に時間がかかるので血糖の上昇も穏やかでインスリンの分泌も適度なため血糖が急降下することもありません。脳にエネルギー(ブドウ糖)を与えるためには、上記のような食べ物を適度な間隔で食べるのがよいのです。低血糖を是正するために血糖をすぐあげるブドウ糖、チョコ、ジュース、パンなどの摂取は逆効果になりますので注意してください。