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私が栄養療法を選択した理由

医学部では分子整合栄養医学の講義はありませんでした。医学部を卒業しても普通に医者をしていたら分子整合栄養医学に出会うことはありません。内科系の医者は診断と薬物治療を学びます。外科系に進む人は手術、手技の研修を主に積みつつ、薬物治療も学んでいきます。いずれにせよ栄養ではなく薬で症状をとる、コントロールすることしか学びません。私も内科医として勤務していた時は、病気は薬で治すものと勘違いしていました。また血液データが基準範囲内に収まっていれば「異常なし」と思っていました。またよく分からない病態や内科疾患ではないと考えた患者さんは他科紹介していました。しかし、開業すると自分で何でも対応しないといけません。血液検査や画像検査して特に異常が見当たらないけれど症状を訴える患者さんが少なくありませんでしたので、何かいい診断・治療方法はないかと模索していました。漢方を少しかじったりしましたがいまいち治療効果を感じませんでした。そしてついに出会ったのが師匠の金子先生でした。師匠は生化学に造詣が深く、生化学的に病態・症状を解き明かすことを教えてくださり、まさに目から鱗が落ちるとはこのことだと思いました。病気や不調の殆どは細胞の分子濃度の乱れであり、根本的な治すには分子濃度を正すしかないということを知りました。また薬は本来細胞や組織で起きていない化学的な変化を無理やり引き起こして症状を抑えるだけのものだとも知りました。
病気や不調は細胞の栄養不足なので、栄養を至適量摂取するしか根本的な治療方法はないということです。また薬は人間にとって異物なので解毒排泄しないといけませんし、多かれ少なかれ副作用が生じます。一方のアミノ酸・亜鉛・鉄などは栄養素は細胞を構成する分子なのでそのまま利用でき、また解毒する必要もありませんので副作用も起きません。
栄養療法を私が選択した理由は、根本的な治療方法でありかつ副作用がないからです。国語の文章題の試験では、筆者が何を言いたいのかを問う問題がでます。何を言いたいかというと栄養療法は根本的な治療でかつ副作用がない安全な治療だということをまず患者さんは理解してください。そのことを踏まえて受診したもらいたいのです。ステロイドの塗り薬を処方する皮膚科医もピルや女性ホルモン剤を処方する産婦人科医も、自分の処方する薬に副作用があると思っていないようです。(思っているけれどそれしか治療方法がないから仕方ないと思っているのかもしれません。)ですから、これらの薬を処方した医者に副作用はないんですか?と聞いても「ありません」とか「ただしく使えば大丈夫です」とか「日本人は欧米人に比べて乳がんにはなりにくいです」などと答えます。決して、副作用が怖いですよ、とは説明しません。そんなことを言うと患者さんも怖がって薬を飲んでくれず商売あがったりになります。
私が栄養療法を選択した理由は、根本的な原因を是正すること、薬(生体内に存在しない異物、必ず解毒排泄しないといけない)による治療と違い栄養素(生体内に存在する分子、解毒排泄する必要がない)なので副作用のない安全な治療だからなのです。