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痩せ薬?

先日、電話で「食欲を抑える薬を処方していますか?」という問い合わせがありました。不思議に思うのが、gdmクリニックは薬ではなく栄養素で治療する栄養療法クリニックである、薬には副作用があるのでメリットがデメリットを上回る時にしか処方しない、HPには一切痩せる薬のことについて載せていない、なのになぜ問い合わせをしてくるのか?時々頓珍漢な電話がかかってきます。普通の保険診療をするクリニックとは違う風変わりなクリニックだからそういう薬も扱っていると思うのでしょうか?
この問い合わせの少し前にNHKで肥満治療薬について千葉大学の先生が解説しているのを見ました。肥満治療薬として保険適応になったのはセマグルチド(ウゴービ)という薬です。これはは、糖尿病の治療薬として使われているオゼンピックと同じ成分です。糖尿病で使われるのは飲み薬ですが、今回肥満治療薬として承認されるのは皮下注射薬で、週に1回投与するそうです。しかし、だれでも保険適応になるわけではなく、肥満症のなかでも、高血圧や脂質異常症、または2型糖尿病のいずれかがあって、かつ食事療法や運動療法を行っても十分な減量効果がみられない人で「BMIが27以上で、2つ以上の肥満に関連する健康障害がある」か、「BMIが35以上」の人に限定されるそうです。ですから高度肥満でない人には使えません。セマグルチドは小腸から分泌されるGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)というホルモンの遺伝子組み換え薬で、脳の食欲に関わる部分に働いて食欲を抑えたり、腸の動きを抑えたりすることで、減量効果をもたらすとされています。高度肥満の人は15%ほどの減量効果があるそうですが、やめるとまた体重が戻るそうなので一生使い続けないといけないようです。
オンライン診療をしているクリニックでは、痩せ薬として自費で糖尿病治療薬で使われている飲み薬版のセマグルチドを処方しているところもあるようです。しかし、薬なので副作用はつきものです。
悪心(気持ちが悪くなる)や嘔吐、便秘、下痢などが副作用でよく起こるそうです。さらに厚労省は胆嚢炎や胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸といった重大な副作用が出ることがあるとして、添付文書の改訂を指示しています。
楽して健康に痩せられる方法などありません。糖質を控え目にする・代謝を上げるためにタン白質やビタミン・ミネラルをしっかり摂る・運動をする、などを地道に行うしかありません。