blog

起立性調節障害は成長している証

中学生くらいになると大なり小なり反抗期というものがあります。反抗期は成長には欠かせないものだと思っています。逆に中学生のころに反抗期がないいい子ちゃんは、成人してからおかしな方向に行くケースが多いように思います。朝起きられない状態(起立性調節障害と言う病名が付けられます)も成長期の子なら誰しもに起こり得るものです。赤ちゃんの時から思春期まで成長し続けており、成長に栄養が使われるため栄養の貯金が少ないのが当たり前です。そして思春期に背が急激に伸びるので、一気に栄養の貯金を食いつぶしてしまい、エネルギー産生がうまくできなくなって朝起きられなくなるわけです。心を安定させるセロトニンややる気を出させるドーパミンなどの脳内神経伝達物質の合成も栄養不足のためにきちんと合成できなくなるので、意欲の低下や気分の落ちき込みなどの精神症状もでます。世間で言われている自律神経の乱れによる血圧調節異常が起立性調節障害の原因ではありません。単なる栄養不足なのです。そのため男子の場合、成長が止まれば栄養が成長に使われなくなり栄養の貯金が自然と増えてくるので自然に治ってくるケースが多いです。女子は成長が止まっても生理が始まっているのでなかなか栄養の貯金が増えず治りにくいです。
親御さんとしてはお子さんが急に登校できなくなり心配でしょうが、栄養欠損が原因の場合は適切な診断と治療で改善は十分可能です。