blog

起立性調節障害は治ります

朝起きられず登校できない児童・生徒さんが全国からgdmクリニックを受診されます。小児科を受診すると起立性調節障害という病名をつけられ昇圧剤で治療しますが、診たて違いなのでよくなりません。血圧が低いこと自体が朝起きられない原因ではありませんので、昇圧剤で治るわけがないのですが、日本全国どこに行っても同じ治療をしています。大学病院に行っても同じです。困り果てた親御さんはネットで色々検索します。整体に行ったり漢方治療をしたりしますがよくなりません。成長期は栄養の需要が亢進しているため、栄養欠損状態になってエネルギー産生がスムースに行えなくなるために朝起きられない、血管の調節がうまくいかず血圧が下がる、などがこの病気の本態です。
分子整合栄養医学的な血液検査をすれば、栄養欠損が原因かどうか分かります。栄養欠損があれば治る余地が十分あります。ただ、10日そこらじゃ栄養不足は是正されません。成長まっさかりの子は成長に栄養が使われるので少し時間がかかりますが、栄養不足が是正されれば必ずよくなります。時に栄養不足と機能性低血糖症を合併している子がいます。その場合は、鉄の貯金が増えても血糖の乱高下が続いていると調子が悪いままになります。低血糖は、食が細い・食に興味がない・好き嫌いが激しい・糖質依存、などの要素が絡んでいるケースがある場合はなかなか治療がうまく行かないので低血糖専門医の受診をお勧めしています。
鉄の貯金が減るのは成長期ならだれしもおきうることです。貯金不足だけが原因なら必ずよくなりますので、焦らずに治療に取り組んでください。