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がん患者さんがうつ病を合併する理由

がん患者さんはうつ症状を合併しやすいと言われています。がん患者さんの20~40%がうつ病を合併することや、うつ病の発生率は一般と比較し2倍以上になることが報告されています。がんを患うこと自体が精神的ストレスになりうつ状態になりやすいですが、それ以外にも要因があるのです。それは低アルブミンが関係しています。手術は身体に負担がかかり、術後はアルブミンが大幅に低下します。また抗癌剤治療で食欲が低下してタン白質摂取が減ります。その他にも、がん細胞はタン白質を壊してブドウ糖に換えて増殖することも低アルブミンになります。こういった理由でがん患者さんはアルブミンが低下しやすくなります。アミノ酸のなかでトリプトファンという必須アミノ酸のみがアルブミンと結合して運搬されます。トリプトファンは心を安定させるセロトニンの材料です。アルブミンが少ないと脳に運搬できるトリプトファンが減る→セロトニン合成量が低下する→うつ症状発症する、というわけです。
がん患者さんのうつ病改善・予防にはアルブミンを高値にすることが重要です。またアルブミンが低いと免疫細胞も作れなくなりがんに負けやすくなります。がん治療においてアルブミンの重要性を患者さんに説く医者は殆どいません。アルブミンを高値に維持することはがん治療において非常に重要なのです。