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多彩な症状を呈する鉄欠乏

ヘモグロビンの値が基準範囲内にあると貧血ではないということになります。しかし、ヘモグロビンの値だけ診ていたのでは正しく診断・治療ができません。鉄欠乏性貧血になると、めまい・立ちくらみ・易疲労・動悸・舌炎・喉の痛み・匙状爪・異食症(氷をかじる)などの症状が現れると医学の教科書に書かれています。しかし、ヘモグロビンが基準範囲内にあっても鉄の貯金が少ないだけでこれらの症状が出現します。医者は医学書に書かれていないことは信じない傾向にあるので、これらの症状が鉄欠乏によるものだと考えもしません。そして、精神的なものというふうに決めつけて安定剤の処方をしたり心療内科を紹介したりします。鉄欠乏にはまだまだ様々な症状があります。胸痛・低血圧・朝起きられない・頭痛・微熱・低体温・うつ症状・むずむず脚・咽頭違和感・眠気・集中力の低下・記銘力低下・抜け毛などなど。非常に多彩な症状を呈するので、鉄欠乏の診断・治療に慣れていない医者には原因が分かりません。また鉄欠乏の診断にも問題があります。何度もブログで書いていますが基準範囲内に入っているかどうかで判定するので正しく鉄欠乏が診断できていません。
検査で異常なしと言われた、MUS(Medically unexplained symptoms:医学的に説明困難な身体症状)診断された、精神的なものでしょうと診断された、という方で症状が続いている場合は鉄欠乏の可能性が大です。
鉄欠乏の治療は保険の鉄剤では難しいです。保険の鉄剤は吸収率が低いのと活性酸素を発生させて胃腸の粘膜を荒らし胃痛・嘔気などの副作用がでやすいからです。鉄の貯金量が増えないと症状は是正されません。鉄の貯金を増やすには治療用のヘム鉄の摂取が欠かせません。