思春期の体調不良

朝起きられない児童・生徒さんの受診が多いです。一般的には起立性調節障害という診断名がつけられています。思春期に朝起きられなくなる原因はエネルギー産生不足です。このことを唱えている医療者は殆どいません。自律神経失調が原因と間違った認識をしています。正しく病態を理解していないので当然治療方法も正しくありません。当然昇圧剤を飲んでも改善しません。私の場合、分子整合栄養医学を学んでいるうちに起立性調節障害の本当の原因がＡＴＰ産生低下（エネルギー不足）だということに気づきました。
しかし、症状が似ていてもＡＴＰ産生低下が原因でない患者さんが一定数いるということも長年治療しているうちに分かってきました。思春期に背が急激に伸びますが、骨や筋肉の成長に鉄やタン白質などの栄養が大量に使われて栄養欠損に陥ります。背が急激に伸びている成長期まっただ中なら栄養欠損になっている可能性が高いのですが、背の伸びが数年前に止まっている男子生徒の場合は別の原因であることが多いです。ただし、女子は生理が始まっているので成長期が終わっても鉄欠乏に陥っていることはよくあります。朝起きられないＡＴＰ産生低下以外の原因としては、機能性低血糖症やスマホやゲーム依存による半昼夜逆転（夜中に２時３時までスマホやゲームをしている）などがよくあります。
成長期まっただ中の男子生徒や月経量が多い（レバーの様な塊がでる）女子生徒の場合は、栄養欠損が原因の可能性が大です。栄養欠損が原因の場合は、分子整合栄養医学的な血液検査で原因を同定し適切な栄養処方によって劇的に改善しますので、是非ご相談ください。