blog

紛らわしいサプリメント表示

gdmクリニックを受診される患者さんの多くは既に何かしらのサプリメントを摂取しています。現物を鞄に入れている場合はパッケージを見せてもらいますが、お持ちでない場合は成分か含有量をあとでネットで調べてみます。含有量については一種の誇大表現と思われるような紛らわしい表示をしています。ヘム鉄5mg、カルシウム250mg、葉酸166μgというふうに大きく記載していますが、横に小さい字で1日摂取量目安の5粒あたりの含有量、と書いています。つまりヘム鉄は1粒1mgしか入っていません。師匠から分子整合栄養医学のことだけでなく、サプリメントの製造方法の裏話もよく聞かせもらっていました。ヘム鉄だと1粒に何mgしか入れることができない、マルチビタミンはAという栄養素とBという栄養素が反応してしまい本来の成分ではなくなる、などを教えてもらっているので、1粒にヘム鉄5mgと他の栄養素を何種類も詰め込むことはできないというのは私ならすぐ分かります。
大手のサプリメントメーカーだからとちゃんと製造しているだろうと考えるのは大間違いです。サプリメント製造は非常に奥が深く、生化学や薬理学の知識がないといいものは作れません。医師監修のサプリメントもダメです。臨床の医師(基礎医学の研究医師ではなく普通の診療をしている医師)は薬理学や生化学の知識や製造工程の知識はありませんので。私も20年ほど前に自分でサプリメントを作って大失敗していますので、師匠のところの栄養素を使わせてもらうのが最良だと思っています。
素人の方が自分で選んでもろくなことはありません。特に症状がない方がなんとなく○○がよさそうと思って飲む分にはいいでしょうが、お困りの症状がある場合は、分子整合栄養医の元で血液検査を受けて適切な栄養素を処方してもらうことをお勧めします。