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gdmクリニックのアトピー性皮膚炎の治療は、ステロイドは塗らずに副腎皮質強化と皮膚健全化の2本柱になります。適切な栄養アプローチをすれば通院しなくていいくらいの状態にまでなります。何年かぶりに受診される方がいますが、問診で悪化し始めたころに何か変わったことがなかったか尋ねます。食生活・糖質摂取・職場環境・対人関係などについて聞きます。ほぼ100%悪化した時期に一致して変わったことが起きています。コロナ渦でバイトに行けなくなり家に引きこもりコーラを1日1.8リットル飲みだした、会社の経営方針が変わり仕事量が倍増した、といったエピソードを教えてくれます。ストレスがかかると人間は副腎皮質ホルモンを分泌してストレスに対抗します。ステロイドホルモンは抗ストレスホルモンでもあるのです。そのため、ストレスがかかるとストレス処理のためにステロイドホルモンが消耗され、皮膚に回ってくるステロイドが減るので皮膚炎が悪化します。また、最近の研究では、ストレスによってノルアドレナリンが分泌され、抗炎症性マクロファージに作用して炎症細胞を除去する機能が低下し、炎症細胞が蓄積することで炎症細胞から放出される炎症誘発物質(DAMP)がさらなる炎症を引き起こして皮膚炎が悪化することが解明されています。
幼少期からステロイドを長期間塗っていると副腎皮質機能が低下している人が多いです。そのためいったん脱ステ&栄養療法で皮膚炎が落ちいた人でも大きなストレスがかかると皮膚炎が再燃しやすくなります。ストレスの原因を解決すること、ストレスから離れることが重要ですが、それが無理なら副腎皮質ホルモンの材料となるビタミンC・コレステロール・ビタミンB6などをしっかりと摂取して皮膚炎悪化を軽減しなければいけません。