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日本肥満学会は、18歳から閉経前の女性における低体重や低栄養の状態に対する新たな疾患概念として、「女性の低体重/低栄養症候群(Female Underweight/Undernutrition Syndrome:FUS)」を提唱しました。成人女性が低体重・低栄養の状態に陥ると、色々な身体的精神的問題が生じることは栄養療法医なら知っていることです。日本肥満学会は、FUSに含まれる主な疾患や状態は下記の6つを挙げていました。
gdmクリニックを受診される方は圧倒的に生理のある年代の女性が多いです。生理で血液を毎月失うこと、食事内容に偏りがあること、などが原因と考えています。慢性疲労・倦怠感・うつ症状・月経不順・無月経・不妊・頭痛・めまい、などの殆どは栄養欠損が関係しています。人間の身体は食べて栄養からしかできていません。いくら技術が進歩しようが、人間の生理機能・身体の仕組みは変わりません。血や肉になるものをきちんと選んで食事をしないと、様々な不調や病気を引き起こします。真の食育とは、人間の細胞・組織・臓器がどういう栄養から成り立っているのかを教えることだと思います。
□FUSに含まれる主な疾患や状態
低栄養・体組成異常
・BMI 18.5kg/m2未満・低筋肉量・筋力低下・栄養素不足(ビタミンD、葉酸、亜鉛、鉄、カルシウムなど)・貧血(鉄欠乏性貧血など)
性ホルモンの異常
・月経周期異常(視床下部性無月経・希発月経)
骨代謝異常
・低骨密度(骨粗鬆症または骨減少症)
その他の代謝異常
・耐糖能異常・低T3症候群・脂質異常症
循環・血液の異常
・徐脈・低血圧
精神・神経・全身症状
・精神症状(抑うつ、不安、集中力低下、認知機能低下)・身体症状(全身倦怠感、睡眠障害、冷え性、頭痛、便秘、髪質・肌質の低下)