blog
血液検査結果で、フェリチンが低い人やMCV(平均赤血球容積)が大きい人を見ると、胃の検査をしていますか?と尋ねます。胃にピロリ菌感染があると、閉経後でもフェリチンが低いままということがよくあります。またピロリ菌感染が持続すると胃粘膜の萎縮が起き、ビタミンB12の吸収が低下しMCVが大きくなる人がいます。胃の検査を一度も受けたことがないという50~60歳代の人が意外といます。そういう方には胃の内視鏡検査をお勧めしています。内視鏡検査をすると、胃粘膜の萎縮や慢性胃炎が結構な頻度で見つかり、ピロリ菌の検査は当然陽性という結果になります。
ピロリ菌感染は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍や胃癌の原因になります。また胃粘膜の萎縮が進行すると胃酸分泌が低下し、鉄やカルシウムの吸収が落ちたりタン白質の消化が上手くできなくなったりしますので、栄養面でも除菌が望ましいと考えます。