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先日TVで、自閉症の子どもたちが将来自立できるように促す「療育」に生涯を捧げた河島淳子先生(今年の2月に急逝された)の特集が放映されていました。河島先生は岡山大学の大先輩になります。河島先生の3人目のお子さんが重度の自閉症だったそうで、それまでの医学への未練を断ち切って、息子さんが社会で生きるために必要な力をつけるトレーニング=療育に力を尽くされました。その後は息子さんの療育の経験を、同じ悩みを抱える親の為に役立てたいとの思いから、愛媛県新居浜市に「トモニ療育センター」を開設されました。全国から800人あまりの自閉症をはじめとする発達障害の子と親が訪れているそうです。
トモニー療育センターで根気強く指導されている様子が映像に残っていました。椅子にきちんと座ることや手を置く位置(膝)など、基本的な事から教えられていました。「指示が通ることが社会性の第一歩。それができない子は育たない。親の指示が通ることが大切」というのが河島先生の療育の考えだそうです。「叱らないけど譲らない」をモットーに厳しくも愛のある指導をされているのが分かりました。これもご自分の自閉症のお子さんをこの方法で育てあげた経験があるからできるのだと思います。
最近では、自閉症や発達障害の子供にすぐ向精神薬を処方する小児科医や小児精神科医がいます。岡山でもそういうクリニックは患者でいっぱいだそうです。しかし、薬では治りませんし、精神科領域の薬は副作用が強いです。いざ薬をやめたくても断薬症状がでるのでなかなか簡単にはやめられません。河島先生のような療育は、時間と労力がかかりますし、信念がないとできませんので、全国に広まるのは難しいかもしれません。私は栄養療法医なので河島先生のような治療はできませんが、私ができることは、胎児や乳児の脳神経の成長に必要な妊娠中の母体の栄養欠損の是正や母乳の栄養価を高める栄養アプローチになるかと思います。