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胸やけ・胃もたれ

胸やけ・胃もたれ・胃のむかつきなどの症状に対してよく処方されるのが胃酸を抑える薬(H2ブロッカーやプロトンポンプインヒビター)です。しかし、胸やけ・胃もたれ・胃のむかつき=胃酸過多が原因とは限りません。胃酸が減っている人も消化がうまくいかずにもたれたりムカムカしたりします。胃酸が減っているのにさらに胃酸分泌を抑制しては症状が悪化しかねません。消化を助ける消化酵素が有効だったり、ピロリ菌感染があり胃粘膜の萎縮が起きている場合にはピロリ菌の除菌が有効だったりします。また、胃腸の蠕動運動の低下でも胃もたれが起きます。蠕動運動低下には、胃腸の動きをよくする漢方薬が効果を発揮する場合が多いです。
尚、胃酸分泌の程度を調べる検査項目PG(ペプシノーゲン)もありますが、保険収載されている項目ではありません。人間ドックなどではオプションでピロリ抗体とPGⅠ/Ⅱの検査をしているところもあります。胃酸を抑える薬(プロトンポンプインヒビター)を長期連用すると、骨密度の低下・胃癌・認知症のリスクが高まるという報告もあります。胃粘膜の状態を内視鏡でチェックする、人間ドック等でペプシノーゲンの値を調べる、などして本当に必要な時だけ胃酸を抑える薬を飲んだ方がいいです。