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めまい、嘔気、倦怠感などの訴えは日常診療においてよくある症状です。こういった症状でお困りの場合、中高生は小児科か内科、成人は内科を受診します。血液検査でデータが基準範囲内にあると「異常なし」と言われます。異常なしと言われても症状があるので別の医療機関を数軒受診する方が多いです。血液検査と脳のMRI検査までしますが、やはり「異常なし」という診断になります。診察した医師も「原因が分からないです」、とだけ言えばいいものを、「精神的なものでしょうから精神科を受診してください」と言われたという患者さんが結構います。
めまい、嘔気、倦怠感は鉄欠乏でよく見られる症状です。しかしフェリチンを測定しない、測定しても基準範囲内に入っていたら「異常なし」と誤診する、フェリチンが基準値以下でも処方されるのは吸収率が悪く胃腸障害を来す保険の鉄剤なのでフェリチンの上昇が見られないので症状は改善しない、という結果になります。精神科を受診する前に、栄養療法に辿り着いた方はいいのですが、先に精神科や心療内科を受診してしまった方は大変な目にあってしまいます。精神疾患ではないので抗精神薬を飲むと症状が改善するどころか、副作用で調子を崩してしまいます。また一度内服しだすと、断薬症状がでるので簡単にはやめられません。
体調不良に対して精査するも、原因不明や異常なしと診断され、「精神科を受診してください」と言われた方は、精神科や心療内科を受診する前に是非ご相談ください。