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6年前に日本で初めて「薬やめる科」を開設した九州のDr.が本を出版されて話題になっています。私は「薬やめる科」は標榜していませんが(医療法上に薬やめる科は存在しませんが)、十数年前から患者さんが持ってきたお薬手帳に、これはいらん薬、これは飲んどいた方がいい薬、これは微妙、と勝手に○や×や△をつけていました。「薬やめる科」のDr.の著書は「薬の9割はやめられる」という題名ですが、9割はやや大げさかと思います。しかし、世間で処方されている薬の半分くらいは「いらん」薬もしくは飲み続けては「ダメな」薬です。
薬で胃が荒れるからといってPPIという胃酸分泌を抑制する胃薬がよく処方されていますが、長期内服で、骨粗鬆症・鉄欠乏・胃癌・認知症などのリスクが高まります。保険のビタミンDは内服しても25OHVDの値が目標値に到達しません。保険の亜鉛は胃粘膜障害のリスクがあります。保険の鉄剤は活性酸素を発生させて胃腸の粘膜を傷害します。高齢者の多くは多剤内服をしすぎており、薬のせいで体調を崩している場合が少なくありません。薬を減らしたり止めたりすると元気になったというケースは珍しくありません。
問題なのは向精神薬の中止です。依存性があったり断薬症状が出たりするので、中止したいのになかなかやめられません。栄養欠損が原因で生じている精神神経症状は薬では治りませんので、心療内科に行く前に分子整合栄養医を受診していただくのが理想です。