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医療行為が患者さんの心身に影響を及ぼし、引き起こされる疾患を「医原病」と言います。頻度として多いのは薬の副作用だと思います。ある症状に対して処方された薬によって、最初の症状は改善したけれど別の症状がでてしまい、治療前よりも体調が悪化している患者さんを多く診ます。中には最初の症状すら処方された薬でよくならず、薬の変更や多剤投与などで症状が増えて体調がさらに悪化している人もいます。薬が変更されて逆に調子が悪くなり薬をやめたいと医師に申告しても「薬をやめてはいけませんと言われ薬を処方され続けている」と言う患者さんもいます。最近よく見かけるのがうつ症状の患者さんにSDA剤(セロトニン・ドパミン拮抗薬)という統合失調症の薬を処方している例です。gdmクリニックを受診される方は、この薬になって調子が逆に悪くなったという人が多いです。そもそもうつ症状に対して統合失調症の薬を使うこと自体が間違っています。SDA剤を飲みだしてから「身体が重くてだるい」、「思考力が低下した」、などを訴えられるケースが多いです。
セロトニンもドパミンも栄養から作られる神経伝達物質です。アミノ酸・鉄・ビタミンB群などが材料として使われますので、これらの栄養が不足している人はうつ症状や意欲の低下が起きます。食生活がおそまつな人が非常に多く、朝食べない・昼はおにぎりかカップ麺・夜も外食もしくは簡単に済ます、といった人が少なくありません。そうでなくても女性は月経で血液を毎月失っているので栄養欠損に当然セロトニンやドパミン合成に必要な栄養が欠損している人が多いので、さらに食事の質や量が低下したら症状がでやすくなります。
月経困難症・PMS・子宮内膜症などに処方される婦人科のホルモン系の薬とうつ症状に処方される心療内科・精神科の薬は、副作用が強く、薬の内服によって治療前よりも調子が悪くなっている人が非常に多いです。薬が症状によくあって調子が良くなっているなら継続する意義はありますが、内服によって治療前より調子が悪化している場合は医原病(副作用)を疑い、薬の中止や変更をしないといけません。ただ、薬の中止だけでは元も症状が再燃しますので、副作用のない栄養療法によって症状を改善させることが重要になってきます。