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無知ってこわいですね

ある患者さんから名言をいただいたのでブログで使わせていただくことにしました。PMS、月経困難症で婦人科を受診されたAさんはピルを処方されたそうです。ピルを飲むと浮腫むことを医師に伝えるとジェノゲストに薬が変更されるも、ジェノゲストに変更してからPMSの症状が悪化、イライラの症状もでてきたとのこと。ご家族の勧めでgdmクリニックを受診されました。
gdmクリニックは、倦怠感・イライラ・不安などを主訴に来院される女性が多いです。これらの症状は鉄欠乏でよく見られますので、鉄欠なのかなと思いながら問診を進めていきます。しかし、意外と問診票にジェノゲストを服用していると書いてくれない人が多いです。「月経量はどうですか?塊が出ますか?」などを私が聞くと、「ジェノゲストを飲んでいるので生理の量は多くありません」と言われた初めてジェノゲストを服用していることを知る次第です。Aさんも問診票にはジェノゲスト服用のことは書いていませんでした。
ジェノゲストは偽閉経療法で使われる薬よりも作用がマイルド(エストロゲンは少量分泌される)だとされていますが、そんなことはありません。女性ホルモンエストロゲンが低下するということは更年期の状態と似たようになるはずです。実際、ジェノゲストを服用してから、うつ症状・倦怠感・イライラ・不安感などの更年期様の症状が出ている人が多いです。更年期様の症状がでない人は、服用を続けられた方がメリットがあるでしょうが、日常生活に支障がでるような副作用が出ている場合は薬を中止すべきです。
Aさんにも今お困りの症状はジェノゲストの副作用の可能性が大なので中止してもらいましたところ、すぐに体調が改善されました。最初に婦人科を受診された際の症状であるPMS・月経困難症に対しては、栄養療法で対処可能なのでジェノゲスト中止と平行して栄養素の摂取を開始してもらいました。先日栄養素を購入しに来られた際に体調はどうですか?と尋ねると「体調はいいです。無知って怖いですね」と苦笑いしながら言われたのが印象的でした。体調不良は薬で治すもの・薬を飲めば調子がよくなる、という信じている人が多いです。また、処方された薬でまさか逆に体調不良になるとは想像だにしていません。薬には主作用とともに必ず副作用がありますが、薬の副作用について患者さんに伝えすぎると怖がって飲んでくれないので副作用については殆ど説明されないのが現状です。心療内科系の薬と婦人科のホルモン系の薬には要注意です。