
blog
お笑い芸人タカアンドトシのトシさん(丸坊主の方)の顔写真をみると生理痛が和らぐという説をネットで見かけました。トシさんの写真を見ると脳がオピオイドという鎮痛作用のある脳内物質を出すために痛みが軽減するそうです。
昔に比べて最近の若い女性に月経困難症(月経に伴って現れる下腹部痛、腰痛、吐き気、頭痛などの症状)でお困りの方が非常に多いです。なぜ増えたのでしょうか?やはり食事内容が一番関係していると思います。月経困難症の原因は、子宮内膜から出されるプロスタグランディンE2(PGE2)という物質がさまざまな臓器の平滑筋という筋肉を収縮させるためです。PGE2が増える原因は、①植物油の摂取が多いこと、②インスリンを過剰に分泌させる糖質の摂取が多いことなどが挙げられます。またPGE2の作用を緩和させるPGE1という生理活性物質がありますが、PGE1は魚に多く含まれるn-3系の脂肪酸から生成されますので、魚の摂取量が減ったことも月経困難症と関係があります。ビタミンDの摂取で月経痛が改善したという報告もありますのでビタミンD不足も関係があるようです。
昔に比べてお産を扱う産婦人科が激減し、婦人科のみのクリニックが増えています。女性の婦人科医も増えており、婦人科受診をする抵抗感が減ってきていますので、以前より気軽に月経困難症の相談に行きやすくなっています。そして今は色々な薬が登場しています。お産を扱わない婦人科は薬の処方(ピル、ジェノゲスト、ホルモン補充療法)が仕事の主流になります。しかし、これらは人工的なホルモンなので副作用が問題になります。以前は月経困難症や月経前症候群の患者さんにピルがよく処方されていましたが、最近はピルに血栓症のリスクがあるので、ジェノゲストを処方されるケースが増えています。中学生や高校生にもジェノゲストを処方しているケースを見ます。ジェノゲスト内服で月経は来なくなるので生理痛はなくなりますが、中には激しい副作用に見舞われ日常生活の質が服用前より悪化している人が少なくありません。うつ・不安・倦怠感・体重増加・頭痛・骨密度低下などの副作用がよく見られます。うつ症状・倦怠感を主訴にgdmクリニックを受診される方の中にかなりの頻度でジェノゲストを内服している人がいます。ジェノゲストの副作用を疑い中止してもらうと元気になります。あとは月経痛を改善させてあげればいいので、こちらは栄養療法や食事療法でなんとかなります。月経痛にいきなりピルやジェノゲストを服用するのではなく、まずはトシさんの写真を見る、それでもだめなら栄養療法や食事療法を行う、それでも症状が強ければホルモン剤を一時的に使う、というのがいいのではないでしょうか?