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日本人はビタミンD不足

東京慈恵会医科大学病院中央検査部の研究チームは、健康診断を受診した5,518人の血清25(OH)D(ビタミンD濃度)を測定したところ、健診受診者の98%がビタミンD不足に該当したことを医学誌に報告しました。ちなみに20ng/mL未満のビタミンD欠乏症の人の割合は78.5%だったそうです。日本内分泌学会および日本骨代謝学会による「ビタミンD不足・欠乏の判定指針」では、血清25(OH)D濃度20ng/mL以上30ng/mL未満をビタミンD不足、20ng/mL未満をビタミンD欠乏と定義しています。つまり、日本人の8割近くはビタミンD欠乏状態にあるということです。この研究で測定されたビタミンDの大半が、動物性or日光由来のビタミンD3で、植物由来(シイタケなど)のビタミンD2はほとんど検出されなかったそうです。つまり、食生活の変化により植物由来のビタミンDの摂取量が減少していると推察されるとのこと。また、年齢が低いほどビタミンD不足の割合が高かったそうです。うちの息子たちもキノコ類が嫌いです。しかしなぜか松茸は好きみたいです。
ビタミンDは最近注目を浴びているビタミンです。コロナ感染した人、コロナ後遺症の人にビタミンD欠乏の人が多かったと何年か前に報告されています。また骨形成、皮膚粘膜健全化などにも欠かせませんし、男性・女性の不妊症の一因でもあります。ビタミンDの摂取で風邪ひきにくくなった・鼻炎が改善した・精子の質が改善した・採卵でいいグレードの卵子が採れるようになった、という患者さんも少なくありません。ビタミンDの人気は高まっていますが、ビタミンDと兄弟のようなビタミンAは依然として悪者扱いをされているのは残念です。ビタミンAとビタミンDは、それぞれ核内受容体スーパーファミリーを介して細胞内のシグナルを統合し、細胞分化、増殖、骨代謝、免疫機能の維持に役立つ栄養素です。恐らくビタミンAの濃度測定をするとビタミンDと同じくらいの割合でビタミンA欠乏の日本人がいるのではないでしょうか。