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摂取する量が重要

栄養療法を成功させる秘訣の一つが、摂取する栄養素の量です。栄養療法は容量依存性に治療効果を発揮します。ドーズレスポンスとも言います。細胞の栄養濃度が本来あるべき状態に近づいてきて初めて代謝が正常化しますので、とにかく不足を補うだけの量を確保しなければいけません。鉄が少ないからただ市販のヘム鉄を1日2,3粒飲めばよいかというとそんなのでは全く足りません。たとえによく使うのが水不足でしおれかった植物の話です。水不足でしおれかかっているので肥料をあげても意味がありません。水が足りていないことがしおれている原因なら水をあげなければいけません。水もスプーン1杯では元気になりません。コップで数杯あげると植物もしゃんとしてきます。このように不足しているものを不足を補う量以上あげなければいけないのです。
市販のサプリメントは病気を治すために設計製造されていませんので、含有量、吸収率、配合などに問題があり治療には使えません。患者さんの中にはコスト削減のためご自分で海外製のサプリメントを買って栄養療法を行う方もいますが、まずうまくいきません。含有量や吸収率に問題があるからです。栄養療法医が処方する栄養素は確かに安くはありませんが、早く細胞の栄養状態が是正されますので長い目で見れば経済的なのです。また、朝起きられない、疲労感が強くて学校に行けない、勉強できない、仕事にいけない、といった状態が長期間続くのは経済的な損失になります。数か月から半年間は治療費が保険診療に比べて割高でも、早く元気になって学校に行けたり仕事に行けたりする方が最終的にはお得ではないでしょうか?