頭痛・めまい・たちくらみ

脳のMRI検査をしても異常が認められない頭痛の多くは、鉄不足、機能性低血糖症 (注1)、カルシウムやマグネシウムの不足、などが原因であることはあまり知られていません。特に生理のある年代の女性の頭痛の多くは、鉄不足が関与しているといっても過言ではありません。

低フェリチン (注2)(鉄欠乏)の場合、ヘム鉄摂取で頭痛が速やかに改善する場合をしばしば経験します。機能性低血糖症による頭痛の治療は、1日3回の適切な食事をすることと、砂糖の多く入った菓子・ジュースやカップラーメンやファーストフードなどを控え、肉、卵、豆、チーズなどのタン白質の少しずつ1時間から2時間おきくらいに食べることが大切です。また場合によっては、ビタミン・ミネラルなどのサプリメントの補給が必要になります。

若い女性のめまいや立ちくらみなども、MRI検査をしても脳に異常がない場合がほとんどです。低フェリチンがめまいや立ちくらみの主な原因です。ヘモグロビンが正常でも低フェリチンでめまいや立ちくらみがおきます。一般的な病院ではヘモグロビンと血清鉄が正常範囲ならば、貧血なし、鉄欠乏なし、と診断されてしまします。ひどい場合は、うつ病などの精神疾患と誤診され抗うつ剤を処方されてしまう場合もあります。

注1 機能性低血糖症:糖質や炭水化物中心の食事を続けることで、膵臓の働きが低下しインスリンが正しく分泌されなくなり、血糖の調節ができなくなったり自律神経の乱れによって体と心の変調を来たしたりする病気

注2 フェリチン:鉄を貯蔵するタン白で鉄の貯金状態を表す