パーキンソン病

パーキンソン病(PD)は、振戦(ふるえ)、無動(動かない)、固縮(こわばってかたまる)を特徴とする神経が変性する疾患です。
ビタミンB12欠乏によってPDと似たような症状が出現しますので、両者を見極めることがまず必要になります。脳の黒質という部分でドーパミン (注1) を産生しているのですが、この黒質の神経細胞の変性がパーキンソン病の本態です。PD患者さんの黒質は、過酸化脂質 (注2) の増加、グルタチオン (注3) 濃度やカタラーゼ (注4) 活性の低下を認め、活性酸素が発症に関係しているのではないかと考えられています。グルタチオン濃度の低下が原因になっている場合は、グルタチオンの点滴が有効です。

注1 ドーパミン:神経伝達物質の一種で運動調節、意欲、学習などに関係する
注2 過酸化脂質:脂肪が酸化したもの
注3 グルタチオン:3つのアミノ酸から成り抗酸化作用や解毒作用を有する
注4 カタラーゼ:過酸化水素を酸素と水に変える酵素