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産後うつと貧血

今年の4月に国立成育医療研究センターのチームが、産褥期に貧血だと産後うつを発症するリスクが貧血がない女性と比べある女性は約6割も増えるという調査結果を発表しています。産褥期とは、妊娠や分娩で変化した母体が妊娠前の状態に戻るまでの期間のことで、出産時から6~8週間の間とされています。以前のブログにも書きましたが、妊産婦の死因の1位が自殺であり、産後うつとの関係が深いと考えられます。
妊娠中期から後期になると、赤ちゃんの成長が急激になり鉄やタン白質などの栄養の需要が亢進し、大半の妊婦さんは貧血に傾きます。妊娠中は循環血漿量が非妊娠時と比較して最大45%も増えるので、血液は希釈されヘモグロビンが低下します。希釈の範囲内なら問題ないのですが、鉄やタン白質が不足することで起きた貧血は是正しないといけません。うつは神経伝達物質のセロトニンが不足することで起きるとされていますが、セロトニンも当然栄養から作られます。材料となるのが必須アミノ酸・鉄・ビタミンB・ビタミン6などです。造血に必要な栄養素とセロトニン合成に必要な栄養素は同じなので貧血だと当然のことながらうつ症状がでやすくなります。
栄養療法による不妊治療をされていた方の多くは、妊娠中も継続して栄養素を摂取されますので、妊娠後期になっても貧血になりません。双子を妊娠されていた方が貧血にならないので産婦人科医やナースが不思議がったとか、相部屋の他のお母さん方は皆鉄剤を医師から処方されて飲んでいたけれど自分だけ貧血ではないので鉄剤を処方されなかった、などというお話しを聞かせてもらうことがよくあります。妊娠前、妊娠中にしっかりと必要な栄養素を摂っておくと、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても非常にメリットがあります。産後も栄養価の高い母乳を出すためには栄養が欠かせません。
産後うつ予防のために、妊娠中や産後にしっかりと必要な栄養素を摂取されることをお勧めします。そのためには定期的な血液検査が欠かせません。