blog

糖尿病はなぜ怖いか

糖尿病はあまり自覚症状がでないので、きちんと治療を受けない人もいます。糖尿病は血糖値があがる病気という認識しかない人が多いと思いますが、実はそれ以外にいろいろと体内で悪い反応を引き起こしているのです。血糖が高くなると糖化と言ってタン白質に糖がくっつきタン白質を変性させます。糖化したタン白質は最終的にAGEになり、活性酸素を発生させます。この活性酸素が血管内皮を傷つけ、網膜症、腎不全(透析)、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こします。人間は活性酸素を消去する酵素(SOD、カタラーゼなど)をたくさん持っています。酵素の多くはタン白質が材料でできているので、血糖が高いと酵素も変性してしまい本来の機能を発揮できなくなり、酸化に拍車がかかります。また、血糖が高いと浸透圧が高まり、尿中にカルシウム、カリウムなどのミネラルがたくさん排泄されてしまいます。
血糖コントロールを厳重にしすぎると低血糖を起こすことがあります。血糖が下がると血糖を上げるためにアドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。これらのホルモンは血管を収縮させ血管を傷つけてしまいます。ですから分子整合栄養医学では、低血糖が起きないようにやや緩めに血糖コントロールをします。HbA1cや血糖値の値ばかり気にするのではなく、活性酸素を消去すること、失われたミネラルの補充をすること、などにも気を配ります。
糖尿病の一番の治療方法は、インスリンの効きを悪くする内臓脂肪を減らすことです。減量がうまくいけば薬は不要になります。減量がうまくいかない場合は、薬を使わざるを得ませんが、血糖値ばかりに気をとられるのではなく、将来起きうる血管系の合併症を起こさないようにビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質をしっかり摂取することをお勧めします。