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タンパク質の重要性

治療に用いる栄養素の中でプロテインはあまり患者さんに人気がありません。ヘム鉄などは飲むと自覚症状の改善が顕著なので飲むメリットを患者さんも自覚できますが、プロテインは飲んですぐに何か変化が起きるわけではないですし、あまりおいしくないので敬遠されがちになるようです。しかし、プロテインは、不妊、リウマチ、癌、うつ症状、アトピー性皮膚炎、貧血、アンチエイジング、背を伸ばすなどどの分野の治療においても外せない栄養素です。アルブミンというタン白質は長寿マーカーでもあり、健康で長生きしている人はアルブミン値が4.3g/dl以上あります。癌治療においてアルブミンが低いと予後がよくありません。また、薬はアルブミンと結合して全身に運ばれますので、アルブミンが低いと薬が効きにくく副作用がでやすくなります。栄養もタンパク質と結合して全身に運ばれますので、タンパク質をしっかり摂取せずに栄養素を摂取しても効果が発揮されにくくなります。
市販のプロテインは飲みやすくするために甘く味付けしていますのでおすすめできません。タン白質はアミノ酸が数百個連なったもので、胃酸や消化酵素でアミノ酸に分解されないと吸収できません。消化酵素もタンパク質でできているので、タン白質不足の人は消化酵素も少ないので分子量の大きいプロテインを飲むとうまく消化できず、おなかがごろごろ鳴ったり下痢したりします。そのため低分子加工しているプロテインがいいです。
プロテインの語源は、古代ギリシャのことばで、「プロテイオス」で、意味は「もっとも重要なもの」という意味です。タンパク質は、ヘモグロビン、免疫細胞、抗体、酵素、粘膜、皮膚、神経伝達物質、骨、血管など身体を作る基本中の基本となる栄養素です。アルブミンが低い人に、プロテインを飲むようにいくらアドバイスをしても飲まない人も少なくありません。だまされたと思ってプロテインやBCAAをしっかり飲んでください。きっと病態改善に役立つはずです。