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学校に行けないのは「うつ」とは限りません

先日、「○○君はうつだったんよ。学校行けてない時があったらしいから。」という会話を耳にしました。登校できない=「こころの病気」と思っている人がまだ多いのだなと思いました。ブログにもよく書いていますが、思春期の児童生徒の何%かは朝おきられず登校できなくなります。そして小児科を受診すると起立性調節障害という病名をつけられます。登校できない子の中には、精神的な原因で行けない子もいるのは確かですが、大半の子は身体的な原因で朝起きられなくなります。
もともと子どもは鉄欠乏に傾いています。思春期に急激に背が伸びますが、骨が伸びるときに鉄やタン白質がたくさん必要になります。体格が大きくなれば循環血液量も増えないといけません。赤血球はタン白質、鉄、ビタミンBなどから作られます。造血のためにもこれらの栄養素がたくさん使われます。やる気をだす神経伝達物質セロトニンは、アミノ酸・鉄・ビタミンB6・ナイアシンなどから作られますので、成長期はこれらの栄養素が消費されてしまいセロトニン合成にまわらなくらる可能性があります。ですから意欲が低下してもおかしくありません。また鉄はエネルギー産生に必要なので、疲れやすい・朝起きられないといったエネルギー不足の症状もよくおきます。頭痛、めまいなどもよく見られる症状です。
体調不良で登校できない場合は、栄養欠損が背景にあることが殆どです。分子整合栄養医学的な血液検査をすれば、原因はだいたい判明します。栄養欠損があった場合は、適切な栄養アプローチをすればよくなりますので、是非とも分子整合栄養医にご相談ください。