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高濃度ビタミンC点滴

ビタミンCは身体によさそうだと思ってサプリメントで補充している人も多いと思います。ビタミンCは具体的にどのような働きをするかきちんと理解して摂取している人はどれくらいいるでしょうか?ビタミンCのことを正しく理解している人はそう多くないと思います。摂りすぎるとおしっこででていくから意味がない、という説もよく耳にします。ビタミンCは摂りすぎると腸で吸収できなくなり軟便、下痢になって排泄されます。人それぞれビタミンCの必要量が違いますので下痢する量もまちまちです。アトピー性皮膚炎で炎症が強い人、副腎疲労の人などは20gくらい摂っても下痢しない人もいます。ただ、1回に20g摂ると誰でも下痢するので、1時間おきに1~2gずつ摂取するのがよいです。
腸から吸収する量には限界がありますので、静脈に直接点滴でビタミンCを入れる方法もあります。25~75gのビタミンCを点滴する高濃度ビタミンC点滴は、今でこそ多くの医療機関で実施されていますが、十数年前にgdmクリニックで開始したころには全国でも数えるくらいの医療機関でしか実施されていませんでした。
ビタミンCの血中濃度を高めると癌細胞の増殖を遅らせる働きがあるとアメリカの研究機関で発表されたのが癌治療で高濃度ビタミンC点滴を行われるようになりました。ただし血中濃度を上げるためにはビタミンCを50~100g点滴する必要があります。ただ、高濃度ビタミンCだけでは癌治療には不十分で、貧血是正、ALBを維持する、ビタミンAやDなどの摂取をする、といった栄養療法を行わないと高濃度ビタミンC点滴の効果があまり発揮されません。
癌予防以外にもNK細胞活性化、美肌作用、美白作用、副腎疲労改善、抗アレルギー作用などがあります。点滴を実施する前にG6PDという酵素の有無をチェックする必要があります。この酵素がない人は溶血をおこす危険性があるためです。酵素活性があれば安心して点滴できます。