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心を安定させるセロトニンを作る方法

脳内の神経伝達物質のセロトニンが不足するとうつ症状がでると言われています。神経伝達物質も当然食べた栄養から作られます。セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸を材料として、ナイアシン、鉄、葉酸、ビタミンB6などの協力を得て合成されますので、これらの栄養素をきちんと摂取していないとセロトニンがきちんと合成されません。トリプトファンは肉や卵などの動物性食品に多く含まれているアミノ酸で体内では合成できません。ナイアシン、鉄、ビタミンB6も肉や魚などに多く含まれている栄養素です。
SSRIという抗うつ剤がよく処方されていますが、SSRIとは選択的セロトニン再取り込み阻害薬というもので、脳内のセロトニントランスポーターにより再取り込み(吸収)されて再利用されるのをブロックしてセロトニン濃度を高める薬です。しかし、栄養欠損でセロトニンの再取り込を阻害しようとしてもセロトニンの絶対量が少ないと濃度は高まりません。女性のうつ症状の多くは、鉄不足が関係していることが多いので、ヘム鉄の補充で比較的早期にうつ症状は改善します。一方、男性は生理がないので鉄不足の人はあまりおらず、なかなか栄養摂取だけでは症状が改善しないことが多いです。
心を安定させるのも栄養です。セロトニンの材料となるものをしっかり食べること以外に、セロトニン合成を促す太陽の光を浴びることと運動することも重要です。