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抗生物質で便通や皮膚炎悪化

便秘や皮膚炎・湿疹で通院中の患者さんが、一時は症状改善していたのに急にまた悪くなったと言われることがあります。急な悪化には何か原因がありますのでいろいろと尋ねていると、風邪をひいたの近所の医者で抗生物質を処方されて飲んだと言う人が殆どです。
抗生物質を飲むと善玉菌がダメージを受けて腸内細菌叢が乱れてしまいます。善玉菌がビタミンB群やビタミンKを産生していますので、善玉菌が減るとビタミンB群の産生が減り皮膚炎や湿疹が悪化します。大腸のエネルギー源は酪酸ですが、この酪酸も腸内細菌が産生していますので、抗生物質の内服で酪酸菌が減ると便通が悪化します。その他にも膣カンジダなども腸内細菌叢の乱れと関係があります。
風邪の殆どはウイルス性なので抗生物質を飲んでも全く効果はありません。効果があるどころか、皮膚炎・湿疹、便秘の増悪やカンジダ膣炎の発症などのデメリットばかりが出現しますので、安易に抗生物質は飲まない方がよいかと思います。