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偏食で視力障害

主にフライドポテトやポテトチップスだけを何年も食べ続けていたイギリスの17歳の青年が、視覚や聴覚障害になったという症例報告がアメリカの医学誌に掲載されました。この患者さんは14歳の時に疲労感を訴えて病院を受診、血中のビタミンB12不足などと診断されたそうです。その後、聴覚や視覚の異常が出始めたが、原因が分からず視力は悪化の一途をたどり、17歳で眼科の診察を受けた時には、視界の中心部が見えない状態だったそうです。
この患者さんは、特定のものしか食べない摂食障害を患っており、小学生のころからポテトチップスやフライドポテト、パンのみを食べ、たまにハムを食べるという偏食を続けていたそうです。視界の中心が見えなくなる病気では黄斑変性症が有名ですが、網膜はカロテノイドの一種のルテインが主な構成成分で、中心部の黄斑はゼアキサンチンでできています。また視細胞のロドプシンはタンパク質、ビタミンA、亜鉛がないと作れません。視覚、聴覚の神経機能維持にはビタミンB12なども欠かせません。フライドポテトを主食にしていてはこれらの栄養が不足するのは当然の結果と言えます。
ここまで極端な偏食の人はめったにいないと思いますが、インスタント麺、パン中心の食事をしている人は少なくないと思います。このような、タンパク質やビタミンミネラルの不足した食事を続けていると角膜、網膜、神経の疾患だけでなく精神の疾患や内科的な疾患を患う危険性が高いと思われます。食事を作るときはある程度この食材にはどういう栄養が含まれているかを考えながら献立を決めることをお勧めします。