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朝起きられない2大原因

小5、6から中学生くらいの子どもに、朝起きられなくなって登校できなくなる子がいます。小児科では起立性調節障害という診断をつけ、血圧を上げる薬などを処方しますが効果はありません。ブログでもよく書いていますが、成長期の子どもは、骨の成長や循環血液量の増大のため鉄欠乏に陥りやすいです。鉄はエネルギー産生に必要なので、ATPがうまく作れなくなって朝起きられない、すぐ疲れる、身体がだるい、といった症状がこのころ出現しやすくなります。
鉄不足以外にも朝起きられない原因があります。それは機能性低血糖症です。インスリンなどの血糖降下剤を使っていないのに、血糖が下がる人が最近増えています。血糖が下がるんだったら甘いものを食べればいいと思いがちですが、それこそが血糖を下げる原因なのです。砂糖やパン、麺類などの炭水化物は一気に血糖が上昇しますが、それに付随して大量のインスリンが分泌されてしまい、最終的には血糖が下がってしまうのです。最近の日本人の食事は炭水化物に偏っています。またジュースやアイスクリーム、菓子パン、スナック菓子など砂糖の入ったものをたくさん摂る人も多いです。先日夜スーパーに買い物に行った時の話ですが、私の前でレジの順番待ちをしているサラリーマン男性のカゴの中には、アイスのモナ王とチョコモナカジャンボが3個ずつ、あと菓子パン数個と握りずしが入っていました。買っているものは炭水化物と糖ばかりです。恐らく単身赴任者で、夕食に握りずしを食べて食後にアイスを食べるんだろうなと思いました。
手っ取り早く食べられるものを選ぶ、好きなものしか食べない、空腹を満たせれたらそれでよい、タンパク質を殆ど摂らない、といった人が増えています。こういった炭水化物や糖ばかりを摂っていると、機能性低血糖症になってしまいます。ただ、糖代謝には個人差があり、糖をたくさん摂っても血糖の変動があまり起きない人もいれば、ちょっと摂っただけで影響が出る人もいます。
夜に炭水化物や甘いものをたくさん食べると、就寝中に低血糖になり朝も血糖が低いままでエネルギー不足で起きられなくなります。また血糖が低下すると脳の維持ができなくなるので、血糖を上げるホルモンを人間はいくつも備えています。アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾール、グルカゴンなどです。前の2者は交感神経緊張ホルモンなので、血管の収縮を起こします。脳や目の血管が収縮すると頭痛や目の奥の痛みが生じます。
鉄欠乏も低血糖もエネルギー不足を来す点では同じです。また両者とも、頭痛、うつ症状なども引き起こすので、症状だけでは判別がつきません。しかし、原因が違えば治療方法も違ってきますので、まずは何が原因で朝起きられなくなっているのかを血液検査で調べる必要があります。この血液検査による診断は、大学病院などではできません。鉄欠乏、機能性低血糖症という概念が分子整合栄養医学を学んでいない医師にはない(医学部では分子整合栄養医学は教えていません)からです。朝起きられない場合は、分子整合栄養医学的な観点から血液検査をする必要はありますので、是非分子整合栄養医にご相談ください。