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機能性不妊症

なかなか妊娠しないと不妊症かもと思い産婦人科を受診します。産婦人科での不妊の検査は、ホルモン値、甲状腺機能、卵管造影、超音波による子宮や卵巣のチェック、精液のチェックなどを行います。これらの検査で特に異常がないカップルも少なくありません。産婦人科医は、「妊娠しない原因はよく分かりませんが、まずはタイミング療法から始めましょう」と言います。タイミング療法を何回かして妊娠しなければ、人工授精を勧められます。何回か失敗すると体外受精や顕微授精という高度な不妊治療を提案されます。
先日不妊の患者さんに、私の書いた「妊娠体質になりたい人は、肉を食べなさい。」を読むようお勧めしたところ、読んでくださり「産婦人科医からも機能性不妊症という分類があるという説明がなかったので、先生の本を読むまで機能性不妊症という言葉を聞いたことがなかった。」と言われました。
豊かなこの日本で栄養不足などありえない、栄養不足があったとしてもそれが不妊の原因になるとは考えもしない産婦人科医が殆どだと思います。最近では、不妊治療している産婦人科医でも葉酸や鉄のサプリや亜鉛、ビタミンDなどの妊活専用のサプリメントを処方しているところがちらほらでてきているようです。人間の身体はすべて食べた栄養からできています。精子、子宮内膜も当然栄養からできますし、卵巣や精巣機能を維持にするにも栄養が欠かせません。また受精するにもエネルギーが必要ですが、ATPというエネルギーも栄養がないと作れません。また精子や卵子は酸化の影響を受けると質が低下しますが、酸化を防いでくれるのもビタミンC、ビタミンE、カロチノイドなどの栄養です。
機能性不妊症は栄養欠損性不妊症と言っても過言ではありません。人工授精、顕微授精などと並行して栄養療法をされている患者さんも少なくありません。原因がはっきりしないのになかなか妊娠しない場合は、栄養欠損が背景にあることが殆どですので、一度分子整合栄養医にご相談ください。