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対がん戦略② 再発予防対策は術後早期に

ステージⅠの早期がんは手術で根治している場合が多いので、術後追加治療は不要の場合が多いです。ステージⅡ~Ⅳの進行がんの場合は、術後早期に再発予防の策を講じる必要があります。標準治療では、化学療法・ホルモン療法・放射線療法などを行います。特に化学療法(抗がん剤治療)は副作用が強くでますので、治療を継続するためと免疫能を低下させないために副作用対策が重要になります。抗がん剤は、活性酸素を発生させてがん細胞の分裂を阻害し殺す治療なのですが、がん細胞よりも分裂の早い骨髄(白血球や赤血球の減少)、小腸粘膜(下痢・嘔気)、毛包細胞(脱毛)にダメージが生じます。骨髄と小腸は免疫を担う臓器でもあるので、免疫能が低下してがんに負けやすくなっていまします。
吐き気止めや白血球を増やす対症療法的な治療はありますが、根本的に抗がん剤の副作用を抑える保険治療はありません。そこで必要になってくるのが栄養療法です。骨髄抑制に対してはグルタチオン点滴・内服やビタミンAの内服を、小腸粘膜細胞を維持するにはグルタミンビタミンAの内服が有効です。脱毛に対して毛包細胞の分化を促すビタミンAや亜鉛、ビタミンB群の摂取を行います。栄養療法によって副作用をできるだけ軽減し、化学療法が継続できるようにサポートしつつ、免疫を担う骨髄や小腸のダメージを抑えてがんに負けない身体を維持することが重要です。抗がん剤の副作用で骨髄抑制がよく起き白血球が減少しますが、グルタチオンやビタミンAの摂取以外に白血球を増やす特殊な乳酸菌FK-23などの摂取も行います。その他には、ビタミンCの血中濃度を4000μg/dlにすることでがんの増殖を抑制する高濃度ビタミンC点滴を週23回することも再発予防には非常に有効です。
そして一番重要なことは、腫瘍内科医や外科医は指導しませんが、アルブミンヘモグロビンを基準値以上に保つことです。そのためには、プロテイン、BCAA、ビタミンA、ビタミンB群、鉄などの栄養素をしっかり摂取する必要があります。
再発してからではなかなか抗がん剤治療も栄養療法も効果がでにくいので、術後早期から、可能ならばがんと診断された時点から栄養療法を開始することが望ましいです。