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起立性調節障害の本当の病態

新型コロナの影響で5月まで学校が休みだったところが殆どだと思います。朝起きられない児童生徒が多いですが、小児科に行くと起立性調節障害という病名をつけられます。しかし、この病名は本当は正しくありません。朝起きられない原因にはいろいろあります。大きく分けると鉄欠乏機能性低血糖症心の問題などに分類できます。コロナで休校中は朝起きてゲームなどの好きなことをしていた場合は、学校に行きたくないという心の問題が主原因と思われます。心の問題が原因の場合は栄養療法では改善しません。休校中でも、朝しんどい、だるい、頭が痛い、といった症状があり朝起きられない場合は、エネルギー産生がうまくいっていない状態と考えます。鉄欠乏も機能性低血糖症のエネルギーが不足する病態です。
成長期の児童生徒は、身体の成長のために栄養の需要が大幅に亢進しますので、鉄、タンパク質などが不足するケースが多いです。そのためにエネルギー産生や神経伝達物質の合成がうまくできずに朝起きられなくなったり意欲が低下したりします。この場合は、不足栄養素を治療用のサプリメントで補うと比較的速やかに症状が改善します。治療用のサプリメントというのがみそで、市販のサプリメントは配合、含有量、吸収率などの問題で症状はなかなか改善しません。
機能性低血糖症の場合は、砂糖の入ったジュースやお菓子を断つ、パンを控える、毎食白米とタンパク質を多く含むおかずをしっかり食べる、といった食事療法をするしかありません。簡単そうで、偏食、砂糖中毒、パン中毒の子はなかなか原因物質を制限できません。本人が食べること、制限することが治療方法なので医者もどうしようもできません。
休校中でも朝起きられない、しんどい、すぐ疲れる、といった症状があった場合は栄養欠損が背景にある可能性が大なので、栄養療法の適応になります。むしろ、大学などの大病院では治せませんので、是非分子整合栄養医にご相談ください。