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時代遅れの食事指導

gdmクリニックで栄養療法をされている患者さんが、急に腹部膨満感が出現したので内視鏡検査を時々受けている外科医院を受診したとのこと。CT、血液検査などをしてもらい、特に腹部症状の原因になるような器質的疾患はなかったそうです。血液検査でLDLコレステロールが基準値より少しだけ高かったため、卵・肉・洋菓子・乳製品などを控えるようにと食事指導の用紙を渡されていました。あと、プロテインも飲むなと言われたそうです。今どきこのような食事指導をしている医療機関があるのには驚きました。LDLコレステロールが体内でどういう働きをしているのか知らないのでしょうか?日本の脂質の基準値が意図的に低く設定されているのを知らないのでしょうか?
LDLコレステロールは世間で悪玉コレステロールと呼ばれていますが、人間にとって欠かせない成分です。細胞膜、性ホルモン、副腎皮質ホルモン、ビタミンDなどの材料としてなくてはならないものです。LDLコレステロールは酸化しやすいので、酸化すると動脈硬化の一因になりますが、酸化しなければ悪さはしません。尚、脂質の酸化を防ぐのが天然のビタミンEです。疫学調査でも、総コレステロール値が260mg/dl前後あるお年寄りが元気で長生きしていると分かっています。コレステロールの重要性をもっと認識すべきです。