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中途半端な知識は治療の妨げに

ネットで今は何でも調べられます。薬やサプリメントの情報もネットにあふれています。しかし、間違った情報も多いです。医学の勉強をしていない素人の人が、ネットでかじった情報を元に自己判断するケースがあります。「ネットで書いてあった症状と自分の症状が似ているので〇〇病ではないかと思う」、と言って自己診断をつけて来院されます。あたっていることもありますが、間違っていることが多々あります。また、変な情報の影響のためか、その人の性格のせいか、なんでもネガティブなことばかり考えたり言ったりする人もいます。「こんなに摂って過剰にならないか」、「ホットフラッシュが起きると聞きました」、「水様性なので尿ででていくばかりでは?」、「飲んだら頭痛がした」など。薬は身体の中で本来起きない反応を引き起こすので、副作用が起きる可能性はあります。生体内にない分子なので解毒排泄もしないといけません。しかし、栄養療法で用いる栄養素は、生体内分子といって細胞を構成する成分、体内の存在している成分なので、薬のような化学反応は起きませんし、解毒排泄する必要もありません。臭いが上がってきてムカムカしたり食道につっかえたりすることはあるでしょうが、それはいわゆる副作用とは違います。
勤務医のころ夜当直をしていると、救急外来を受診する常連さんが何名かいました。カルテを見ると生食(生理的食塩水、コンタクトの保存液などにも使うやつです)を毎回うたれています。つまり、薬としても効き目はないのに、注射をしてもらったということで症状が落ち着くというものです。これをプラセボ(偽薬効果)といいます。栄養素は細胞の分子濃度を是正するものなので効果は確実にあるものです。しかし、疑いの気持ちを持って飲めば負の効果が身体的に出る可能性は十分あります。逆に、これで私は元気になれるとプラスの気持ちで摂取すれば、治療効果はさらに高まる可能性もあります。栄養は小腸で吸収されますが、消化管は副交感神経が優位な時に働きますので、ネガティブな気持ちで摂取すると実際の吸収もうまくいかなくなります。
時々TVで放映される「やりすぎ都市伝説」という番組内での有名なフレーズがあります。「信じるか信じないかはあなた次第です。」私は「信じる者は救われる。」と思っています。